午前4時の深海
夢を見た。そう遠くはない昔の夢。まだ親友だった頃の夢。誰にでも優しくて、誰にも優しくなかったあの頃。大事なものも、そうじゃないものも、全部まとめて抱きしめていたあの子。平等でありすぎてしまえば、それはもう全部ただのガラクタなのに。 特別を無視しないで。 ...
Night in-cider
考えていることがある。 ぼんやりと、うっかり、あらがえずに、意識して、状況は様々だけど、考えていることがある。私はこの気持ちにべつの名前をつけたい。本当はすでにわかりきっていることだけど、途方にくれていた。わかっていることが、自分自身の中で腑に落ちない。恋に落ちる、なん...
三千世界の烏を酔わせてあなたと朝寝がしてみたい
お互いにいつもより飲むペースが早かった。 ビールや日本酒、ワイン、あらゆる種類のお酒が楓ちゃんの家には常備されている。本当に美味しそうに飲むわねと言えば、うれしそうにとろんと笑った。普段の楓ちゃんは、おだやかさと孤高を両立させて神秘的な雰囲気をまとっているけれど、酔った...