やさしい不機嫌
- violeet42
- 2016年11月15日
- 読了時間: 3分
※生理ネタ注意
「さわらないで」
そろそろ帰るねって、シーツに包まった真姫ちゃんの肩に触れようとしただけなのに。冷たい拒絶。 真姫ちゃんは月に一度、こうしてなにもかも投げ出して眠りにつく。
「まきちゃん」 「なに」 「お腹、つらい?」
もそりと真姫ちゃんが寝返りをうって凛を見つめる。顔色がすこし悪い。
「しばらく家には来ないで」
また始まった。真姫ちゃんはいつもそう。
「いやだよ」 「来ないで」 「やだ」 「会いたくないのっ」
お腹が痛い、腰が重い、いらいらする。女の子の日。赤い日。つらいよね。凛にもわかるよ。だって同じ女の子だもん。赤ちゃんをつくるために、赤い日が毎月やってくる。
「選んだのは真姫ちゃんだよ」
真姫ちゃんは凛とこうなる前、男の人と付き合っていた。
「彼氏ってどんな人?」 「別に、ふつうの人よ」
ふつうの人ってなんだろう。ふつうに優しい人?ふつうにかっこいい人? そのふつうにはきっと女の子は含まれてないんだよね。
でも半年も経たずに別れたから、一生分の勇気を振り絞って真姫ちゃんに告白した。そして凛の恋人になった真姫ちゃん。
「真姫ちゃんはどうしたいの?」
真姫ちゃんの体を包んでいたシーツを引きはがして、穿いていたスボンを強引に下着ごと下ろした。
「凛!やめ……っ」
シーツが赤に染まる。抵抗する体を押さえつけたら足の間に顔を近づけてそのまま入り口を舐めた。女の子の匂いと女の子の味。
「いやっ……やだ、こんなの、」
真姫ちゃんが暴れて凛の顔を何度も蹴ったり髪の毛を引っ張るから、
「男の子とはどうだった?」
言った途端に真姫ちゃんが泣きそうな顔をして、みるみるうちに大人しくなった。真姫ちゃんが初めてじゃなかったことくらい、凛にもわかったよ。そっと舌を入り口に挿し入れたら、あとからどんどん溢れてきて顎まで血が滴り落ちた。きっと真姫ちゃんのたくさんの初めてを、もらい損ねてる。
赤い日の真姫ちゃんは機嫌が悪い。それは後ろめたいから。抱え込んで傷ついて疲れてるから。凛はね、怒ってるよ。くやしいよ。真っ赤な怒りと嫉妬がお腹の中で暴れている。
「こっちは、はじめてだよね」
潤う入り口よりも少し下、いつもは使わないお尻の方を舌でほぐした後に中指をそっと挿し入れた。
「やだ……やだっ…りん、」
いつもの方よりも少しきつくて柔らかい。
「ん……あ、……あっ…」
ゆっくりを指を動かせば真姫ちゃんがしがみついてきた。
「…ごめんなさ、…はぁ…ぁ…っ…」 「なんで真姫ちゃんが謝るの?」 「あっ…ぁ、…もう…んっ……」
ぼろぼろと静かに涙を流す真姫ちゃんを眺めながら、舌で潤った入り口の突起をやさしく包んでちゅっと吸ったら、びくびくと震えながら真姫ちゃんが果てた。
「はぁ……はぁっ………はぁ」
ぐったりとした真姫ちゃんの額に張り付いた前髪をやさしく横にわける。ゆっくりと息を整えた真姫ちゃんがそっと凛の手を握りしめた。 あちこちに赤が染みついたシーツ。
「つらい?」 「最低よ」
お互いに服を脱がせ合って、二人で生まれたままの姿になる。ぎゅっと抱きしめたら柔らかい。
「凛を選んだこと、後悔してる?」 「そんなの」 「凛は真姫ちゃんを選んだこと、後悔してないよ」
真姫ちゃんが苦しそうな顔をする。痛みを耐えてるみたいな、つらそうな顔。
「凛が女の子じゃなかったら、きっと好きにならなかった」 「うん」 「どうして……」 「うん」
真姫ちゃんは泣き虫だね。耳元で聞こえる嗚咽がせつない。
「凛が、いなかったら、」 「うん」 「きっとあの人と別れてなかった」 「ありがとう。選んでくれて」
赤い日の真姫ちゃんは、寂しがりでこわがりで繊細で、そしてすごく機嫌が悪い。
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